文書作成日:2016/03/29

来月より施行される雇用の分野での障害者差別の禁止等

 平成25年4月に障害者の法定雇用率が1.8%から2.0%に引上げられ、平成27年4月には障害者雇用納付金制度の申告対象事業主の範囲が労働者数100人超の事業主に拡大されました。このように障害者の雇用に関する環境は変化し続けており、更に2016年4月からは改正障害者雇用促進法の主要部分が施行されます。

 障害者雇用促進法では、先に挙げた法定雇用率の規定や、納付金制度の規定を行なっていますが、この他に、今回の改正により1)雇用の分野での障害者差別を禁止、2)雇用の分野での合理的配慮の提供義務、3)相談体制の整備、苦情処理、紛争解決の援助の3つが規定されました。以下ではこの内容を具体的に解説します。

1.雇用の分野での障害者差別を禁止
 事業主に対し、障害者であることを理由とした障害のない人との不当な差別的取扱いが禁止されます。具体的には、募集・採用、賃金、配置、昇進等のあらゆる局面で、障害者であることを理由に障害者を排除すること、障害者に対してのみ不利な条件を設けること、障害のない人を優先することが挙げられます。例えば、採用において障害者であることを理由に、求人への応募を認めないこと等が差別として禁止されます。
 なお、ここで禁止されるのは、障害者と障害者でない人の不当な差別的取扱いとなっており、障害者間の異なる取扱いまでを禁止したものではありません。

2.雇用の分野での合理的配慮の提供義務
 事業主は、障害者に対する合理的配慮を提供することが義務となります。具体的配慮とは、障害者および採用時に障害者と障害者でない人との均等な機会を確保するための措置や、採用後に障害者と障害者でない人の均等な待遇の確保または障害者の能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための措置があります。例えば、募集・採用時に視覚障害がある人に対し、点字や音声などで採用試験を行なうことが考えられます。

3.相談体制の整備、苦情処理、紛争解決の援助
 事業主は、障害者からの相談に対応する体制の整備をしなければなりません。また、障害者からの苦情を自主的に解決することが努力義務とされます。近年は、セクシュアルハラスメント窓口を始めとしたハラスメントに対する相談窓口の設定が広がっていますが、同様な流れで障害者からの相談に適切に対応するために必要な体制の整備をする必要があります。
その他、事業主と障害者の話し合いによる自主的な解決が難しい場合の紛争解決に対し、都道府県労働局長による助言・指導・勧告を行い、第三者による調停制度によることができるように整備が行われます。

 今後、障害者雇用を進めていくなかで、事業主としては採用活動の際、障害者雇用をした後についても差別が行われていないか、また合理的な配慮が行われているかを確認しておくことが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「平成28年4月(一部公布日又は平成30年4月)より、改正障害者雇用促進法が施行されます。」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。